カナダから日本にやってきて自分の会社を経営する彼女は、新型コロナウイルスによる影響で働き方も変わり、考えたことがあると言います。

業界や業種が違う「あの人」の話を聞いてみませんか。面白い話が聞けるかもしれません。隣のビルで働いているあの会社の人、電車に乗っているこの人のこと。よく知らないだけで、仕事の価値観が合うのかもしれません。

remonade mediaでは「話をしたことのない人の話を、隣で聞いてみる」ような記事をお届けします。コーヒーでも飲みながら読んでみてください。

「記事を読んで、あなたの考え方を変えるきっかけにしてください」なんて、言いません。あなたにはあなたの信念があるから、変わらなくてもいいんです。でも人の働き方を知るときっと、自分のワークスタイルとライフスタイルを考え直すいいきっかけになります。


Niya Kabirさんはカナダ出身、日本在住の女性経営者です。

有名なアメリカのグラフィックデザイナーの、 “There are three responses to a piece of design – yes, no, and WOW! Wow is the one to aim for.” という言葉があります。

Niyaさんは、自分の会社を持ち、デザイナーとして「私自身がワクワクするプロジェクトに関わっている」と言います。私はNiyaさんのそのポリシーを聞いて、見る人に “Wow!” と言わせるデザインやプロダクトは、Niyaさんのように関わっている人自身がワクワクしていることから生まれるのかもしれないと考えました。


日本で活躍するNiyaさんの、考え方と働き方を紹介します。


🍋仕事のワクワクはコラボレーションから生まれる

私はmaker、creatorであり、problem solverです。自分自身のために働き、自分の会社を持っています。自分の目標に向かって頑張っています。

現在、デザイナーとして私自身がワクワクするプロジェクトに関わっています。これからも自分の力でたくさんのクリエイティングをしていきたいので、世界中のコラボレーターが集える環境や空間をつくりたいと考えています。


🍋VC、Slush、大手デザインコンサルティング会社での仕事を経験

フリーランス・デザインリサーチャーとしてVCで勤務。スタートアップエコシステムについて学んだ後、Slushに参画しました。Slushは、若者や若者が社会人の道に進みたいと考えている「ゲームチェンジャーを支援するためのプラットフォーム」です。ローカルであり、グローバル。若者が働き方や生き方を変える方法を与えるために支援するコミュニティです。


Slushではイベント全体のプロデュースを担当しました。Slush運営チームの体験と、来場者や参加者のイベント体験を向上させるため、デザインの異なるツールやプロセスをどのように使うことができるかを考えて制作進行をして、「考え方としてのデザイン」を学ぶことができました。その後に、大手デザインコンサルティング会社でも1年ほど勤務しました。


🍋混乱していて予測不可能な道を選んだ

これまでを振り返ると、研究も含めてUXデザインリサーチ歴が10年になります。様々なソリューションを見つけ出すための調査研究を行ってきました。例えば航空会社とは、旅行の未来を考えるプロジェクト。「旅」の概念を再定義し、どのように旅行体験を向上させることができるか設計をしました。またSlushでは、実際に手や足を動かして創っていく面白さと、起業家精神を学びました。UXでは、様々な企業や人々と仕事をして、自分のビジネスや技術を多様化させることを考えています。


会社で働くことはあらかじめ目標が決められています。自分の目的と目標のために、そして自分の人生をコントロールする方法を学ぶために、混乱していて予測不可能な「起業」の道を歩むことにしました。そして現在に至っています。


🍋自分に影響を与えたものは、両親、先生方、そして日本

私に大きな影響を与えたものは、いくつもあります。まずは両親です。私の両親はとても勤勉で、成功を収めています。エチオピアからカナダに移住し、ゼロからビジネスを立ち上げた起業家でもあります。2人は大学を出ていませんが、私に教育は最も強力な武器であると教えてくれて、あらゆる学びの機会を与えてくれました。彼らは常に前向きで積極的で、私を起業の道へと導いてくれました。


2つ目は、これまでの教育の中で出会った先生方です。特に3人の素晴らしい先生がいました。そのうちの一人のことをいつも思い出します、天使のような女性で、「なぜ」と問い続けることと、その素晴らしさをいつも教えてくれました。「なぜそこにあるのか?」「なぜそこにはないのか?」と。おかげで私はあらゆることに興味を持ち、質問するのが好きになり、リサーチャーになりました。


3つ目は日本にきたことです。私は日本に来て成長することができたと思います。日本に来る前の私は、限られた世界しか知りませんでした。全く異なる文化や環境と出会い、素晴らしさに気づき、また「私はなんなのか?」と自分の存在について考えました。Niyaって誰?私は何がしたいの?と、自分と向き合うことの重要性も学びました。また、失敗は最大の学習のチャンスになることも学びました。


🍋これまでは、週に6日は外出していた

私は、聴く50%、考える30%、実際にやってみる20%で構成されています。私の仕事では、人とのコラボレーションすることも重要です。そのためにこそ、聴くことを大切にしています。

自分のオフィスを持っていますが、他の場所、例えばカフェや他のスペースで作業することができます。インターネットと電源さえあれば、どこでもどこからでも仕事ができます。ネットワーキングのために外に出かけることが多かったですね。


これまでは週に6日は外に出て、ネットワーキングやリサーチ、人と会う時間に充てていました。人と会ったり、コーヒーを飲みに行ったり。私は顔を合わせての作業が好きなのでプロジェクトのほとんどで移動していましたが、プロジェクトによってはオンラインになることもありました。今は外に出られないので(新型コロナウイルス感染症の影響で)、オフラインでの人脈作りや新しい人との出会いが難しいです。そのため既存のプロジェクトに集中しています。


🍋この状況下だからこその挑戦

これまでの生活やワークスタイルから、現在の在宅勤務へ変化をするのは簡単でした。一方で自分の会社を立ち上げてから日が浅いため新しい仕事の獲得が難しく、今は「オフライン以外で新しいクライアントやプロジェクトにどのように出会うか?」、これが現在の私の新しい挑戦です。


こんなに長期の在宅勤務をするのは初めてです。時間管理が意外と大変で試行錯誤中です。プライベートな時間・仕事の時間・家でやらなければならないことをする時間が混ざってしまうことがあるので、改善していきたいです。


🍋自粛環境下での、時間の使い方

日中はリフレッシュタイムを持つようにしています。仕事の合間に、どうやって休憩を取るか常に考えるようにしています。時には思い切って散歩に行ったり、ストレッチをしたり。


今の仕事になくてはならないものは、

  • 空を見るための大きな窓
  • 何かしらの音、特に外から聞こえてくる子供の笑い声
  • 広い空間や、集中するためのテーブル
  • ストレッチエリア、ヨガマット

です。家の空間作りがいかに大切かを実感させられました。例えば私にとっては、明るい日差しがとても重要です。今は都会に住んでいるわけではないので、比較的静かな地域で、近くに川があるのはありがたいですね。あとは子供の声が聞こえたり。ちょっとした音でもリラックスできます。


私のプライベートの時間や生活でなくてはならないものは、

  • 良いキッチン
  • キャンドル、照明
  • コーヒーの良い香り
  • 良いバスタイムとお風呂

です。家族や友人とテレビ電話をする時間もいつもより長くなりました。他には、食事の時間を楽しむ、自分と向き合う時間を作ってみるようにしています。


🍋好きなものと、嫌いなもの

好きなものは本・自然・食べ物(特にピザ!)、朝食の時間や朝食に関連するもの全てです。最近購入したお気に入りのものは、Kalitaのコーヒーミル。好きなものなどに対してこだわりは特にないけれども、素敵なストーリーがあるプロダクトに共感します。

嫌いなものは、嘘をつくこと。あとは、あえて挙げるならアレルギーですが、しょうがないです。なるべく全てのことに感謝をするようにしているので、アレルギーがあり辛い思いをしたぶんだけ、何か別の良い経験ができるのだと考えるようにしています。


🍋毎日必ず使うアプリは8つ

Slack, Gmail, Google calendar, Google maps, Instagram, Spotify, Whatsapp, Medium

🍋COVID-19に、「人生は短い」と気付かされた

新型コロナウイルス感染症は、多くの角度からわたしに影響を与えました。仕事では、自分の仕事や価値の提供について改めて考え直し、評価し直す時間になりました。今後どうやって新しいことに挑戦するのか、私が提供できる価値やプロジェクトを多様化させていくのかを考え続けています。

仕事以外でもそうですが「人生は短い」とも実感しました。もっと人のために、自分のために時間を使えるようになりたいです。今日死んでも明日死んでも「いい人生だった」と言えるようになりたい。また、もっと人に恩返しをしたいと思っています。自分が情熱を持っていることにより集中することで、自分を追い込むことができるはずです。「私はもっとできるし、もっとしなければならない」と思っています。また、家族や友人との時間を大切にしたいです。

他には、計画を立てる自由が変わったと感じています。COVID-19以前は計画を立てることができましたが、今は「計画を立てること」自体が難しくなり、不安に感じる時もあります。きっと私だけではなく、多くの人にとって自分自身のこれからについて問いかける時間が増えたような気がしています。きっとそこから学び、成長できるチャンスなのでしょうね。

🍋20年後も、たくさんの思い出をつくりたい

20年後にどんな姿でいたいか、ですか!?そうですね...今のままの姿でいたいと思っています :) 冗談です。

素敵な家庭を持ち、たくさんの思い出をつくりたいです。「自分が貢献できた」と言える人生にしたいですし、素晴らしい子供を育てたいですし、もっと新しいリスクにも挑戦したい。キャリアにも挑戦し続けたいです。恩返しもしたいですね。健康でありたいし、他の人をもっと助けたい。そして笑顔でい続けたいと思っています。



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